大学院博士後期課程

■博士後期課程〈学位:博士(経営管理)Doctor of Business Administration〉

前期課程の「実践知」を基に新たな理論を創造できる、より高度な研究者の育成を目指します。

博士後期課程では、博士前期課程で培った「実践知」に根ざす学術研究能力を基盤に、既存理論の豊富化や新たな理論構築を行うことにより、学問体系を刷新しうる研究者能力、あるいは理論を適用して、現実に関する新たな理解や政策的価値のある結論を導きうる研究者能力の醸成に努めます。
活動の高度化を目指す社会人にも門戸を広げます。

カリキュラムと特色

3つの学問領域

「マネジメント領域」「政策・税務・会計領域」「情報領域」で編成されます。
いずれの領域においても企業経営を研究教育の焦点にして、新たな学術的価値を創造しうる研究者能力の養成を図ります。

指導教授およびアドバイザリー教授による複数教員による指導体制

研究指導は、指導教授及びアドバイザリー教授1~2名の複数教員による指導体制で行います。

科目編成(※)

研究指導

博士論文の完成を目的として作成指導を行います。さらに、理論を中心に先行研究に関する講義にも力を注ぎます。上記の3つの学問領域に配置された研究指導科目から1科目を選択し、1~3年次にわたり継続して履修します。(※)

特殊講義(ライブケース)

中小企業経営者などによる経営現場の状況報告を基に授業を行うもので、経営現場から生まれた実践知を吸収し、博士論文の作成に役立てることを目的とします。

特殊講義特論

「特殊講義(ライブケース)」で得られた現場発の情報を、理論的にいかに理解すべきか、その現場情報を基にすると既存理論をどのような方向に発展できるかなどを研究するもので、「特殊講義(ライブケース)」に連続した科目です。「実践知」と「理論」を架橋する能力の育成を目指します。

※博士後期課程の修了は、3年以上在学し、所定の授業科目について16単位を修得し、かつ博士論文審査及び最終試験に合格することが要件です。

教育目標・人材育成の狙い

教育目標

高度な研究者能力、すなわち「実践知」を基に新たな理論を創造できる研究者の育成に努め、本研究科が日本における総合的な企業経営研究の拠点となることを目指しています。

人材育成の狙い

大学、シンクタンクなど、専門研究機関で中心的な役割を担いうる人材を育成します。また、アジア経済の健全な発展に寄与する中国からの留学生なども対象に、アジア地域の指導的な研究者を育成することを目指します。

入学対象者

学内・学外学生、企業従事者、中小企業支援業務従事者(行政および公的機関職員、弁護士、中小企業診断士、税理士、地域おこしのリーダー)、東アジアからの留学生など。

研究指導担当教員および開講科目一覧

研究指導担当教授

科目 領域 担当教授 研究分野 実務面での実録/研究指導の内容
研究指導Ⅰ マネジメント領域 上原 聡 商学、マーケティング戦略論 日本交通公社を経て、長年にわたり大学行政のマネジメントに従事。非営利組織における経営戦略の立案を数多く手掛ける。指導では、マーケティング関連分野の博士論文を完成させるために必要となる、最新のマーケティング研究の動向を整理し理論を習得するとともに理論構築能力の養成を目指す。
宇佐美 宗勝 経営戦略論、マーケティング、航空経営論、経営管理論 大阪大学博士(国際公共政策学)。三菱重工業、シンガポール航空勤務、ICAO(国際民間航空機関)日本政府代表部専門調査員を経て現職。大阪大学大学院国際公共政策研究科招聘研究員及び大阪大学大学院医学系研究科招聘研究員。サービス商材を扱う企業のオペレーションマネジメント、戦略策定等経営管理の課題解決に向けて、理論的なアプローチと並行してデータを用いた実証分析により、確固たる頑健性を兼ね備えた博士論文の執筆を目指す。
研究指導Ⅱ 政策・税務・会計領域 真鍋 雅史 経済統計学、政策研究 大阪大学博士(応用経済学)。大阪大学医学系研究科特任准教授、一橋大学経済学研究科客員研究員、北京大学日本研究中心客座研究員を兼任。過去に金融庁専門研究員、内閣官房事務局長、大阪府市特別参与等を歴任。専門は政策研究、経済統計学。最近の研究領域は、財政金融、医療看護、ホスピタリティ等。後期課程では、新しい政策研究体系を構築しようとする学生を幅広く受け入れる。
研究指導Ⅲ 情報領域 滑川 光裕 情報システム学、システムシミュレーション工学 情報ベンチャーなどの中小企業で利用される情報システムに関する博士論文の作成指導を行う。ファジィ理論、ソシオメトリー分析、クラスター分析、遺伝的アルゴリズム、システムシミュレーション、地理情報システムなどが主たる関心領域となる。
(注)研究指導は、1・2・3年次の通年配当の12単位とする

アドバイザリー教授

井上 行忠 嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授
専門分野:財務会計
劉 暢 嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授
専門分野:産業政策論、比較経済論
飯野 幸江 嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授
専門分野:会計学
明山 健師 嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科准教授
専門分野:経営学

共通設置科目

授業科目 講義の内容
特殊講義(ライブケース) 主として中小企業経営者に、企業の創業、発展経緯、現下の課題、今後の経営戦略、企業家の楽しみと苦労などについてスピーチしてもらう。これによって受講者は、経営環境の厳しい変化や経営資源の不足と闘っている経営現場の生々しい状況を知ることができる。また、企業家という職業の実態にも触れられる。経営者のスピーチを行い、さらに質疑応答の時間を設けることで、受講者参加型の授業とする。授業は担当教員のコーディネートによって進行し、担当教員のとりまとめをもって終了する。受講者は経営上の注目点に関するレポートを提出する。博士前期課程との共通科目であり、隔週実施する。
特殊講義特論 「特殊講義」では経営者のスピーチから経営上の注目点に関するレポートをまとめる。本授業ではこのレポートを基に、中小企業の発展性の原動力は何であるか、またその発展性を妨げる問題にはどのようなものがあるかを討論し、中小企業の発展性と問題性に関する理論的な解釈を深める。これにより受講者は経営現場から得られた「実践知」を「理論」へ架橋する能力をつけることができる。隔週、通年実施する。
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