大学院博士前期課程

■ビジネススクールMBA 博士前期課程〈学位:修士(経営管理)Master of Business Administration〉

活動の高度化を目指す社会人にも門戸を開く実践プログラムも開設。

本学はビジネススクールとして、カリキュラム上、3つの特色を持っています。多くの年月をかけて練り上げられた科目編成によって、ビジネス現場で直面する課題解決のための実践知を修得し、さらに事例研究・フィールドワークにという実践知を体験的に発見・吸収する機会によって、様々なビジネスで多様な解決手段を導き出せる社会人として育成します。

カリキュラムと特色

経営管理に関連する広範囲な科目を中心とした編成

設置科目は、受講者の多様なニーズに応えうるよう多岐にわたっています。
具体的には、現在直面している経営環境に適応すべく、事業の中核機能となるマーケティングや経営戦略、そして社会的な要請を受けての政策(公共経営)など、経営管理に関する科目が広範囲に用意されています。

ナレッジ系科目とワークショップ系科目(※)

ナレッジ系

下記の4領域で構成されます。既存の学問成果だけでなく、企業や地域などの現場で発生している事実や知識を「実践知」として重視することにより、新たな学術的発見の基盤を醸成します。

基盤領域 マネジメント、政策・税務・会計、情報の各領域の基盤的な科目によって構成されています。
マネジメント領域 戦略とは何か、戦略はいかにあるべきかなど、営利・非営利を問わず、組織経営の効果的運営および激変する経営環境への適応を研究する科目群です。
政策・税務・会計領域 経営組織が効果的に計画・実行する必要のある政策および税務・会計に関する科目群です。
情報領域 高度情報化社会の中で、経営組織に求められる社会情報の基盤技術・知識を修得する科目群です。

ワークショップ系

事例研究・フィールドワークなどにより、受講者自身に直接「実践知」を発見・吸収する機会を与え、革新的な学術成果を生み出す能力を養います。

研究指導 修士論文または特定課題研究成果の完成を目的とする科目です。(※)
プロジェクト 様々な専門的知識を融合させて、企業や地域コミュニティなどが直面している課題について実際に解決アイデアを立案・提案する科目です。
特殊講義(ライブケース) 企業経営者をはじめとする現場からの生の声に触れることを通じて、実践知を取り入れる科目です。
リテラシー養成演習 大学院において論文を作成する際に必要不可欠なリテラシーを養うことを目指し、文献収集スキル、データ等分析および論理構成・文章作成スキルの醸成に焦点を当て、課題レポートを完成させる科目です。
※研究指導 I、II、III、及び IVの4科目計4単位及び特殊講義(ライブケース)2単位並びにナレッジ系科目の基盤領域科目2科目4単位以上を含め30単位以上の修得が必要です。ただし、修士論文に代えて特定課題研究についての研究の成果を志望する者は、38単位以上の修得とします。

2つのプログラム

博士前期課程は「研究プログラム」と「実践プログラム」の2つのプログラムより成り立っており、いずれかを選択できます。なお、税理士試験の一部科目免除を目指す方は「研究プログラム」を選択していただく必要があります。

研究プログラム

学術的価値のあるテーマであって、新たな理論的、政策的、経営論的知見への接近が認められる修士論文(原則下限20,000字前後の論文)を作成するプログラムです。なお、科目履修については30単位の修得が必要となります。

実践プログラム

各学問を専門的な水準で学び直したいと考える方が実社会における問題解決能力を身につけるため、社会経験、業務経験などに基づき主に実践的関⼼を持って特定課題に関する研究(原則下限10,000字前後の論文)を行うプログラムです。なお、科目履修については38単位の修得が必要となります。

出願時点で希望するプログラムを選択していただきます。
入試においては、研究プログラムは「研究能力」と「研究テーマの明確性」の評価、実践プログラムは「研究能力」と「現実課題への問題意識」の評価により合否を判定します。
なお、いずれのプログラムを修めても「修士(経営管理)Master of Business Administration」の学位が得られます。

出願には研究指導教員との事前面談を経る必要があります。
事前面談は入学後に行う研究内容の相違を防ぐために実施しますが、この中で同時に希望するプログラムに対する適性についても確認いたします。

教育目標・人材育成の狙い

教育目標

経済・経営の活性化への寄与を目的として、主にマネジメント(経営管理)分野で、実践知に根ざす学術研究能力を持つ人材の育成を目指します。特に、既存の学問成果を踏まえつつ、経済・経営の革新という問題意識に立って、実践知、すなわち経営などの実際の現場から発生している新たな事実や知を取り入れた教育を行い、学問の革新を図ります。

主な研究分野

マーケティング戦略の研究、公共政策に関する研究、企業経営に対する専門サービス(税務・会計や先端的な情報技術)の研究、中小企業全般に関する研究など。

入学対象者

学部生をはじめ、企業従事者、企業後継者、企業支援業務従事者(コンサルタント、行政および公的機関職員、中小企業診断士、税理士、地域おこしのリーダー)、東アジアからの留学生など。

博士前期課程 研究指導担当教員および開講科目一覧

区分 領域 担当教授 研究分野 実務面での実録/研究指導の内容
ナレッジ系 マネジメント領域 上原 聡 商学、マーケティング戦略論 日本交通公社を経て、長年にわたり大学行政のマネジメントに従事。非営利組織における経営戦略の立案を数多く手掛ける。指導では、マーケティング理論の獲得と同時に、理論の実際の経営における実践を体系的に学びながら、各自のマーケティング研究における問題意識を養い、主要テーマを探求することを目指していく。特に心理学的なアプローチおよ び文化論的アプローチに重点をおきつつ、新たなマーケティング課題を検討することとなる。
國田 圭作 商学、消費者行動、マーケティング 博報堂にてプロモーションの実務と研究に従事。博報堂行動デザイン研究所所長を経て現在アドバイザー。企業・組織の価値創造、知識創造、顧客創造のイノベーションプロセス等について、マーケティングまたはブランディング領域を中心に研究を行なってもらう。実務経験を活かし、理論と実務の両面から探究を深めるよう指導を行う。合わせて研究計画、研究方法論、データ分析、論文や研究レポート作成技法についても指導する。
宇佐美 宗勝 経営戦略論、マーケティング、航空経営論、経営管理論 三菱重工業、シンガポール航空勤務、ICAO(国際民間航空機関)日本政府代表部専門調査員を経て現職。航空会社、ホテル等ホスピタリティビジネスをはじめとするサービス産業のオペレーション、マーケティング活動にフォーカスし、顧客満足及び顧客ロイヤルティの醸成・維持のためのスキームやシステム構築のための理論的アプローチに加え、実際のケースをベースとした演繹的手法も用いて、企業の顧客維持施策を多面的に検討する。
遠藤 ひとみ 経営学 経営学の基礎知識や代表的理論が、複雑化する現代社会の様々な経営的事象にどのように応用されているかを学び、またそれらの限界やあらたなる可能性に関して考察していく。研究指導では修士論文のテーマ設定や構成、問題意識、問題解明のための理論構築、論文の書き方などの研究指導を行う。
劉 暢 比較経済論(日中)・産業政策論 産業政策と企業活動との関係が持続的な産業発展にどのように寄与するかを検討し、産業政策の研究分析に必要とされる総合能力を高める。
設置科目 中小企業論研究(中小企業の役割)※
中小企業論研究(日本とアジアの中小企業)
経営戦略概論(理論の応用とグローバル展開)
経営管理論(理論的基礎)※
経営管理論(経営管理研究)
マーケティング研究(消費者行動と企業の戦略)
マーケティング研究(マーケティングとサイコロジー)
財務管理論研究(コーポレートファイナンス)
財務管理論研究(中小企業財務)
事業創造論(起業と企業家・イノベーション)※
事業承継・後継者論
地域経済論(地域政策)
産業政策(市場経済と産業政策)
産業政策(日中産業政策の比較)
戦略コンサルティング実践
政策・税務・会計領域 新任予定者A 租税法 国税庁職員。税法に関する論文作成の基本と応用について指導する。なお、指導においては、必要に応じて、理論と実務の両面からのアプローチも取り入れる。
酒井 翔子 法学、租税法 経済活動のグローバル化やデジタル社会が進む今日、世界や社会の動向と共に租税理論もまた進展している。本研究指導では、租税に関する従来の諸問題に加え、最新の租税理論も学びながら、実務で直面する諸問題に指針を示すことのできる様な論文作成を目指す。
井上 行忠 財務会計 財務会計における修士論文およびその他(リサーチペーパー等)の作成の指導を行う。具体的には、修士論文のテーマ設定や論文の構成方法、注や参考文献の表記などの形式面の諸規則、論文を作成するための基本的知識を修得するとともに、数多くの論文を読みこなし、自作の論文を作成するための知識を修得する。
真鍋 雅史 経済統計学、政策研究 大阪大学博士(応用経済学)。大阪大学医学系研究科特任准教授、一橋大学経済学研究科客員研究員、北京大学日本研究中心客座研究員を兼任。過去に金融庁専門研究員、内閣官房事務局長、大阪府市特別参与等を歴任。専門は政策研究、経済統計学。最近の研究領域は、財政金融、医療看護、ホスピタリティ等。前期課程の学生は、経済財政政策等、政策研究に関心のある学生を幅広く受け入れます。
設置科目 財政論(国家と市場)
公共政策論(ミクロ経済学理論)※
公共政策論(マクロ経済学理論)
税務研究(国際課税政策)
租税論(租税政策)
租税法研究(法人税法)※
租税法研究(所得税法)
税務政策論研究(所得税政策)
税務政策論研究(法人税政策)
財務会計論研究(財務諸表論)
財務会計論研究(財務諸表の理論的基礎)
情報領域 滑川 光裕 情報システム学、システムシミュレーション工学 システムシミュレーションやファジィ理論、遺伝的アルゴリズムなどの情報システム学に関する理論により、新たなビジネス創造あるいは既存のビジネスの効率性向上に役立てるための研究に関する指導を行う。
設置科目 経営情報システム論※
社会システム概論
データマイニング特論
創造支援情報論
ワークショップ系 設置科目 研究指導I
研究指導II
研究指導III
研究指導IV
プロジェクト
特殊講義(ライブケース)
リテラシー養成演習
(注) 設置科目欄の※印は、マネジメント、政策・税務・会計及び情報の各領域における基盤的科目(基盤領域科目)を示します。
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