皆さんこんにちは! 学生広報部2年の祝です! 今回は嘉悦大学で取り組まれている「情報保障」という活動について、本学の岡本潤先生に取材をさせていただきました。 岡本先生はコンピュータで人間の言語を解析する「自然言語処理」を専門としており、嘉悦大学の情報保障システムの構築と運営を主導されています。そんな岡本先生にこの活動について詳しく聞いてみました!
インタビューへ入る前にまず、「情報保障」という活動について簡単に説明をします。
情報保障とは、聴覚や視覚などに障がいがあり、情報の受け取りや意思の疎通が困難な人に対し、周囲がコミュニケーションの手段や仕組みを整え、情報を正しく伝える事です。
例えば、耳の不自由な学生に対して手話通訳や音声認識によるリアルタイムの文字起こしを提供し、他の学生と同じように講義を受けられる環境を作る事などがこれに該当します。
嘉悦大学ではどう取り組んでいるのか、岡本先生のお話をどうぞ!!
岡本先生:活動としては「PCノートテイク」というものを行っています。講義の音声を音声認識に通して文字起こしを行い、その文字起こしされた文章を学生のスタッフ(ノートテイカー)がリアルタイムで修正して聴覚障がいの学生に正しい情報を伝えるというものですね。
祝:僕も講義中に教室の前方で2、3人の学生スタッフがサポートを行っているのをたまに見かけます! 設備面ではどのような仕組みになっているのですか?
岡本先生:各教室を改装してマイクの音を直接音声認識のシステムに流し込めるような仕組みを作りました。複雑な手順を踏まなくても音声認識の機械を教室に持っていけばすぐに文字起こしができるようになっています。
岡本先生:PCノートテイクは主に学生のスタッフが行うので、学生でもある程度仕組みを理解できるようなシンプルなものにしていることですかね。大がかりな機械をどんと入れる事ができれば楽ではあるんだけど、故障した場合や何かトラブルがあった場合に専門知識がないと対応が難しいし、学生がそれを見つけるのは難しいじゃない?
祝:そうですね…もし自分がスタッフだとしたら何も分からなくて混乱してしまいそうです。
岡本先生:だから、ケーブルとか音声認識をするためのデバイスを機械に正しく挿すだけっていうような仕組みにしました。そうすると、何か問題があった時もケーブルか機械か、ネットワークがおかしいのかって感じで、原因を学生でもちゃんと探しやすくなるでしょう? なので「学生主体」という本学の特徴を活かすことのできるこの形式にしました。
岡本先生:「VUEVO(ビューボ)」という喋っている人の位置と内容が視覚的に分かる機械を使用しています。これは誰がどの方向から喋っているのかを画面に文字で映し出すことができるので、複数人の会話でも認識がしやすくなっています。ただ、これは周りがうるさいと上手くいかない可能性があるので、周囲の人や喋る人が情報保障の観点から配慮するような意識を学生間で今後広めていってほしいなと思います。
祝:機械とか仕組みだけじゃなくて伝える人自身も意識しないとですね。

岡本先生:2019年に聴覚障がいを持った学生が入学する事になったことがきっかけですね。
祝:その学生に合わせての導入だったんですね。
岡本先生:そう、その学生のために何かしらのシステムが必要だったんだけど、それまでそのような仕組みなどが嘉悦大学は特にない状態でした。私はもともと自然言語処理という音声認識にも関係している学問を勉強していたので、その知識を情報保障にある程度活用できると考えて私が主導となってシステムを構築しました。
岡本先生:コロナ禍に対応した新しい形式で情報保障のやり方を構築し直したことですね。2020年になってやっと情報保障の環境が完成したと思ったらコロナが来たことで、それまでは対面だけで良かったものがオンラインでのサポート方法も考える必要が出てきて、遠隔での情報保障を始めました。それで2021年くらいに今度はオンラインと対面の両方の対応を求められるようになって…みたいに昨年まで行っていたことが翌年には活かせない状況になってまた新しいことを考える、というのが続いた時期でした。
祝:やっぱりコロナ禍って激動の時期だったんですね…。
岡本先生:そうだね、でもあの時期に本当にいろんなパターンを試せたことで遠隔情報保障などのノウハウがたまったので、その部分では良かったですね。それに2024年から私立大学の合理的配慮の提供が義務化されたので、それにすぐに対応できた事も良かったかなと思います。
岡本先生:情報保障っていうのは機械だけに頼るわけにはいかなくて、人のサポートがやっぱり必要なので、そういった意識みたいなものをもって障がいを持った学生に対して接してくれると良いなと思います。あとは、PCノートテイクも学生のスタッフが主にやってるけど人員が不足しているので、この活動は社会人になっても良い経験になると思うし、学生スタッフとしてサポートする事に興味があるよっていう人は是非やってみてほしいなと思います。

今回は嘉悦大学で行われている情報保障の活動について岡本先生にインタビューをさせていただきました! 岡本先生へのインタビューを通じて、いつも自分が当たり前のように行っているコミュニケーションも障がいを持っている方も同じく行えるようにするためには様々な仕組みが必要となる事を改めて実感しました。
この記事を通して、嘉悦大学の情報保障について少しでも知っていただけたなら幸いです。
それではまた次回の記事もお楽しみに!
文責:学生広報部 祝 浩輝(経営経済学部2年)