本日、嘉悦大学に入学された新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。本学の教職員を代表いたしまして、皆さんのご入学を心よりお祝い申し上げます。また、これまで新入生の皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。

新入生の皆さんは、これから嘉悦大学での大学生活をスタートさせることになります。折角の機会ですから、本日は、皆さんに、嘉悦大学での大学生活を有意義に過ごすための3つのアドバイスを贈りたいと思います。

第一のアドバイス、それは、長い歴史と伝統のある大学の一員として、恵まれた環境を活用し、誇りをもって学んでほしいということです。

嘉悦大学は、創立者嘉悦孝先生によって、1903年、明治36年、に設立された「私立女子商業学校」を起源とします。本年、2024年は、創立から121年目を迎えることになります。嘉悦大学には120年を超える実学教育のノウハウがあります。その環境の中でこれから皆さんは学んでいくことになります。ぜひこの恵まれた環境をうまく活用してください。そして、長い歴史と伝統のある大学の一員として、誇りをもって学んでいってほしいと思います。

第二のアドバイス、それは、自分の成功だけを考えるのではなく、「よりよい社会の実現のために貢献するのだ」という、大きな志を忘れないようにしてほしいということです。

本学は実学教育を行う大学です。ですから、「良い会社に就職したい」「将来お金持ちになりたい」とおもって入学してきた皆さんも多いのではないかと思います。しかし、自分の成功と同じくらい大切なものがあります。

皆さんは本学の校訓をご存じでしょうか。本学の校訓は「怒るな働け」です。創立者の嘉悦孝先生が定め、以来120年もの間、本学が大切にしてきた言葉です。いろいろな解釈ができる言葉ですが、「怒るな」の部分に、「自分の成功だけを考えるのではなく、広く社会に貢献する人材になってほしい」という創立者の強い思いが込められた言葉だと私は理解しています。

松下電器、現在のパナソニック、を創業した有名な経営者に松下幸之助という人がいます。大成功を収めた経営者ですが、自らの成功だけを考えて、パナソニックを創業したのでしょうか。そうではありません。幼少期に大変な貧しさにあえいだ幸之助は、「低価格で良質な電化製品を大量供給することにより、かつての自分のような貧しい人でも豊かな生活を送れる社会を作りたい」という大きな志を持って現在のパナソニックを創業しました。このような志があったからこそ、周囲の理解と協力が得られ、パナソニックは現在のような世界的な大企業へと成長できたのだと私は思います。

本学の校訓「怒るな働け」の精神を大切にしてください。自らの成功だけを考えるのではなく、広く社会に貢献できる人材になるのだ、という大きな志を忘れずに学んでいってください。それが皆さん自身の成長につながると私は確信しています。

第三のアドバイス、それは、恐れずに新しいことに挑戦し、在学中に自らの可能性を開いていってほしいということです。皆さんには自分でもまだ気づいていない様々な可能性があります。どんなことでも良いので積極的に新しいことに挑戦してください。そして、在学中に、「これはやりきった」、「真剣に取り組んだ」、といえるものを一つでもよいので作ってください。

嘉悦大学は、皆さんのために、様々な挑戦の機会を提供します。経済学、経営学、マーケティング、ICT・データサイエンス、会計ファイナンス、ビジネス法務など、みなさんがこれまで学んだことのない学問に挑戦できます。新しい外国語や資格取得にチャレンジするのもいいでしょう。企業などと連携して行われる学外プロジェクトやインターンシップ、クラブ活動、学内アルバイト、海外留学などに挑戦することもできます。また、たくさんの新しい友達をつくることもできます。

どんなことでも良いので勇気をもって新しいことに挑戦してください。新しいことに挑戦することによって、これまで分からなかったことが分かるようになります。これまでできなかったことができるようになります。そして自分の新しい可能性を発見することができます。こうした経験が皆さんの社会人・職業人としての自信につながっていくと思います。

嘉悦大学は、教職員と学生の距離が近い大学、面倒見の良いことが自慢の大学です。教職員が学生の皆さんに挑戦を促し、支援をしていきます。挑戦するとうまくいかないことも当然出てくると思いますが、そうした時には相談に乗ったり、アドバイスをしていきます。ぜひ安心して、どんなことでもよいので新しいことに挑戦し、自分の可能性、そして社会に出ていくための確固たる自信を築いていってほしいと思います。

今日から皆さんは、嘉悦大学の学生として新しいスタートを切ることになります。恐れることなく新しい環境に飛び込み、新しい挑戦をし、かけがえのない人たちと出会い、その中で思いもかけぬ自分の可能性を発見し、自信を築いていかれることを心から期待しています。そして、卒業するときに、「お前変わったな」「あなた変わったね」と高校時代の同級生から言われるような、そういう手応えのある大学生活を送って欲しいと思います。

以上、皆さんの嘉悦大学へのご入学を祝うとともに、皆さんの洋々たる前途への期待を述べて、令和6年度入学式の学長式辞といたします。

令和6年4月5日
嘉悦大学学長　森本 孝