学生広報部レポート/沖縄で開業! ~自営業という進路~

学生広報部レポート/
沖縄で開業!
~自営業という進路~

2022年4月某日。嘉悦大学からは遠く離れた南の地、沖縄県は沖縄市にて
お酒や軽食が楽しめるお店「Souan’s Bar」(ソーアンズバー)がオープンしました。

庭先を改装して作られた「Souan’s Bar」。
柔らかな灯りは和やかな雰囲気を醸し出し、キラキラと光を反射するお酒はどこか特別な存在感を放ちます。開店して数か月、最近ではグランピング風のお店として徐々に人気を集めているそうです。ちなみにグランピングとはグラマラス(魅力的)とキャンピングを掛け合わせた造語ということで、まさにソーアンズバーにぴったりの言葉です。

さて、嘉悦大学とどんな関係が?という疑問が浮かびますが、こちらのソーアンズバーを営むお2人は嘉悦の卒業生であるらしいのです。本記事では2022年に卒業し、学生広報部でも活躍していた水落さんにアポイントを取ることができたため、お店のあれこれに加えて、就職ではなく自営業を選択されたその訳に、学生広報部3年の佐藤が迫っていきます。

・水落智也さん
・2022年に嘉悦大学を卒業
・ソーアンズバーの店先でオンラインにてお話を伺うことができました。
・どことない沖縄感の演出に感謝

・お店について

佐藤: こんにちは!早速質問なのですが、この度オープンされた「Souan’s Bar」。こちらはどういったコンセプトのお店なのですか?

水落: ざっくりとですが、オシャレな空間でお酒とお話が楽しめるバーっていうのがコンセプトになります。実はDIYでゼロから作りまして、そこが結構苦労しました。

<Before><After>

佐藤: ほんとにゼロからなんですね。
先ほど庭先を改修と聞きましたが、お隣がご実家とかなんですか?

水落: ソーアンズバーは僕ともう一人で営んでいるんですけど、お隣ではそのもう一人のご両親がお弁当屋さんをやっていて、お店はその庭先でやらせてもらっています。「めしや草安」っていうお弁当屋さんです。

佐藤: なるほど、店名もそこから来てるんですね

・儲かってる?

佐藤: オープンして数か月経ちますが、ぶっちゃけて聞いちゃいます。儲かっていますか?

水落: 初期費用もかかっているので、黒字か赤字かで言うと赤字です。でも、客足は日に日に伸びているので、酒類の利益率も考えてもう少しで黒字になりそうな見通しです。最近は知名度を上げるため、近隣のゲストハウスに行って、お客さんを呼んだりします。

・飲食店の現実

佐藤: 続けて後ろめたい質問になってしまうのですが、飲食店における3年の廃業率は70%といわれています。今後についても考えたりしていますか。

水落: :よく言いますよね。敷地を借りている営業形態ですけど僕たちもそれは考えています。僕が思うに継続するお店って それだけの価値があると思うんです。さっき、ゲストハウスに出向くって言いましたけど、僕たちのふるまいがお店の広告になっている意識があります。だから、普段の何気ないコミュニケーションも大事にしていますね。それと沖縄には海辺での軽石問題※があったりします。営業時間以外はそういった問題への取り組みを行って、ただの飲食店ではないことをアピールできればと思ってます。住宅街に店を構えているので、近隣の皆さんに愛されるお店になりたいです。

佐藤: 地域に根ざすというわけですね。

※軽石問題・・・海底火山噴火の影響で浜辺に軽石が押し寄せる問題。船舶の航行、漁業、観光等に様々な被害が発生している

・大学時代で役立ったこと

佐藤: ここまでお話を聞いてきてお店の認知や先の見通しなどマーケティング的な視点を感じましたが、大学時代にこれを学んでいて良かったなということはありますか。

水落: :質問通りマーケティング系の知識は役に立ちました。立地の強み、弱み、競合など値段設定や販売方針を考える際に学んでよかったと思います。反対にやっておけばよかったことが会計やエクセルの勉強です。仕入れ値や販売価格に直結する分野ですので、あの時もっとやっていれば楽できたのになーっていう後悔はありますね。

・お店を選んだ訳

佐藤: この記事の本題といってもいい、就職ではなく自営業を選んだ経緯についてお聞きします。現在僕は3年生ですけど、少しずつインターンや早期選考など就職に向けた動きが進んでいます。進路を考え始める3年生あたりから自営業を視野に入れていたんですか?

水落: :僕が3年生の頃はそんなことは全然考えていなくて、普通に就職するんだろうなと思ってました。飲食店の話が来たのは4年の4月になってからでしたね。

佐藤: え、就職活動の真っただ中じゃないですか。

水落: :そうです(笑)。懇意にしていた先輩から「沖縄でお店を始めるから一緒にやらないか」ってお誘いがありました。突拍子もない突然の話でしたけど、何よりも面白そう、楽しそうって思いました。思ってしまった、ですかね。

佐藤: こうして今、お店を選んでいるわけですけど、迷いはなかったんですか。

水落: :その時すでに内定をもらっていたこともあり、迷いはありました。いろんな人に相談もしたんですけど、たいていの人には反対されて、親しくしてる美容師さんからは論破される勢いで猛反対されました。逆にそこまで否定されるとやりたくなる気持ちも芽生えたりしましたね。

佐藤: その気持ち、ちょっと分かります(笑)

水落: :でも、いろんな人と相談していくなかで、大学のキャリア・就職支援センターの人からは、「内定をもらっている会社は比較的新しい会社だから、諸々のリスクで考えたら変わらない」って言ってくれました。

佐藤: それは意外です。てっきりキャリア・就職支援センターこそ猛反対するかと思ってました。

・気になる親の反対?

佐藤: 親御さんはどう思ったのか気になります。

水落: :親に関してはやや反対という姿勢でした。というのも、内定をもらっていた会社は入社の数年後に海外勤務が決まっていたんです。まずその海外勤務に関して、なにかあった時に戻ってこられない、駆けつけられないという理由で親はよく思ってませんでした。そうした状況からの沖縄の飲食店の話だったので、少し寛容になったという感じでしょうか。もちろん卒業してすぐのお店の経営ですから、いい顔はされなかったんですけど、僕のやってみたいっていう意思は尊重してくれました。

働く水落さん

・後悔とか?

佐藤: そういった経緯でお店を営んでいるわけですが、後悔はありますか?

水落: :ないです。これは僕の変わった性格かもしれないんですけど、節目のタイミングで環境を変えたくなるんです。同じ場所でじっとしてられないというか、飛び出したい衝動があります。僕は地元が埼玉なんですけど、東京の嘉悦大学に進学したのもそういう理由でした。新しい環境に身を置くと、もちろん戸惑うこともあるんですけど、それ以上に毎日が新しいので楽しいんです。地元が埼玉って言いましたけど、埼玉は海がないんですよ。でも沖縄にはすぐそこに海がある。身近に海がある日々は楽しいです。

シュノーケリングの様子 右が水落さん

・これからの展望について

佐藤: 環境を変えたい性分ということですが、お店について今後の展望はありますか?

水落: :実を言うと今の形態で長く続けようとは思ってません。冒頭でお隣の敷地の中でやらせてもらってると言ったんですけど、その分いろいろと甘えている部分があります。だから、今のうちにノウハウを磨いて、ゆくゆくは飲み屋が立ち並ぶ沖縄の大通りにお店を構えたいです。……そしてこれは少し先の僕のやりたいことなんですけど、沖縄って旅人が多いのでそういう方に向けた、気軽に宿泊できるゲストハウスを建てたいです。

佐藤: 今は修行の側面があるのですね。それにしてもゲストハウス……!ぜひ泊まってみたいです。

・自営業を考えている方へ

佐藤: もしかしたら、この記事を読まれている方で自営業を考えている人がいるかもしれません。そういう方に向けて伝えたいことはありますか。

水落: :そうですね、やっぱり誰しもそうですけど、自分の人生ですよね。誰かに強要されるまま進んで、10年後にこんなはずじゃなかった、と思っても自分しか恨むことはできない。だからほんとにやりたいと思ったなら、やった方がいいと僕は思います。もちろん、その選択に周りからの反対や否定は必ずあるので、それを跳ね返すだけの熱量は準備が必要ですね。それと、僕の経験則から言わせてもらうと、大学生活はいろんなことをやった方がいいです。僕自身オープンキャンパススタッフや授業を補佐するSA、学生広報部などを経験して感じたことはたくさんありました。だから、これを見ている学生さんがいましたら、大学で行っているたくさんの活動に取り組んでみてほしいです。何か見えてくるものがきっとあるはずなので。

・終わりに

卒業生インタビュー、自営業の道を選んだ水落さんのお話はいかがでしたでしょうか。私自身、水落さんとは学生広報部を通して関わりがあったため、沖縄での自営業を心配していましたが、お話の中で出た後悔はないという言葉を聞き、ひとまずは安心しました。本記事を通して、この先のキャリアについて考えるきっかけになれば幸いです。また、インタビューの終わりに次回インタビューの了解を得ることができました。来年に水落さんはどうなっているのか、記事を通してお伝えできればと思います。

・最後にちょこっとご紹介

今回ご紹介した水落さんが営む「Souan’s Bar」はインスタグラムにて情報発信をしております。なかなかオシャレですごい(語彙力)写真やメニューがたくさん載っているので、遠くて行けない、という方もぜひ目を通してみてください。もちろん沖縄に近い方、縁がある方も立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
この記事を見た!といえば何かおまけしてくれるかもしれません(笑)。

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文責:学生広報部 佐藤 玲央(嘉悦大学 経営経済学部3年)

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