学生広報部レポート/内定者✕キャリア・就職支援センター対談

学生広報部レポート
内定者✕キャリア・就職支援センター対談
1-3年生に向けた就活の心構えとキャリアカウンセリング活用のすゝめ

3月といえば卒業の季節ですが、大学3年生にとっては会社説明会やエントリーなどが始まり、就職活動が本格化する時期だと思います。1,2年生も、そんな3年生を見て就活を意識し始めているのではないでしょうか。

今回は、内定済みで卒業を待つばかりの学生広報部4年の松本が、嘉悦大学の就活の相談や求人情報の紹介などを行っているキャリア・就職支援センターの和山さんに就活において重要なポイントや、1,2年生が就活に向けて今のうちからどう動けばいいかのお話を伺い、対談形式でご紹介していきます。
対談形式な分、トピックは少ないですが、より深く理解していただける内容となっていますので、是非最後までご覧ください。

キャリア・就職支援センター 和山さん

就活は自分を鍛えるチャンス。

松本: 僕は就活を“成人の儀”だと捉えています。アフリカとかだと、大人になるために一人で狩りに行くとかがありますよね。その過程で、自分を見つめ直したり今後の事を考えたりする。そういった成人の儀の日本版なんじゃないか、って考えています。

和山: そうですね、特に本学は文系で就職先の選択肢が多いですし、成人の儀と言える程に大変な活動をしていると思います。就活という壁を乗り越えるのは大変です。でも、就活を通じて社会を知れるし、自分を鍛えるチャンスでもあるので、会社に受かるためだけじゃなくて、そういった良い経験を積めるチャンスでもあると捉えてほしいですね。

大学入試との違いと、就活の正しい“答え”

松本: 僕ら学生は“入試”を何度か経験してきていて、就活を入試の延長線上と考えてしまいがちです。大学入試と就活はどう違うと思いますか?

和山: 大学入試は大変だけどわかりやすいですよね。入試は過去問もあるし、一定のルールの中で合否判定しているから対策取りやすいけれど、企業の合否判定は「筆記最悪だけど面接めちゃくちゃ良い。だからもう次の選考に進めよう」とか、何でもありです。

松本: 何でもあり?

和山: そう、大学入試は“答え”というか明確なものがあるけれど、就活は社会と一緒で答えが無いんですよ。その分、参考になるものが山ほどあるので就活の過程で自分なりの答えを作っていくイメージです。

松本: 確かに高校までの勉強ですと、“問いがあって答えがある”という感じですが、就活や社会となると一段階上の“問いがあって答えが無い”だったり、それをも超えて“問いも答えも無い”だったりして、そういった段階の壁や違いっていうのは確実にありますよね。
僕も就活初期はそれに気づかず、ネットで調べた模範解答とか、企業の求める人物像を“正しい答え”だと信じて志望動機を作り選考に挑んだら、尽く失敗しました。

和山: 私が面接官だったら、正しい事言っているけど本音がよくわからない人より、自分の言葉で話してくれて、「こんな人なんだ!」と感じる人の方が一緒に働きたいって思いますね。応募者の方も、不合格だったとしても自分を出し切った面接だったら「合わないんだな」と諦めもつくと思います。

就活の今。2023年卒はどうなる?

松本: コロナ渦だったりで就活は大きく変わってしまったと思うのですが、今後どうなっていくと思いますか?

和山: どんな業種や職種を目指すかによって大きく変わっていくと思っています。先日お話を伺ったある産業廃棄物処理の企業様は、全く変わっていないとおっしゃっていました。今までやってこなかったオンライン説明会や面接はやるけれども、売り上げも仕事も変わってないと。ただ、飲食・観光・宿泊・航空関係など、大きく変わった業界もありますよね。

松本: ちなみに2022年卒の内定事情はどうだったんですか?

和山: 今まさに調査中ですが、去年より内定率が良いですよ。皆さん頑張っています。

松本: オミクロン株など、まだまだ先が見えない現状ですが、2023年卒の就活はどうなると思いますか?

和山: 2月の就活講座でもお伝えしていますが、「新卒においては企業の採用意欲は高い」ので、新卒のチャンスを生かしてほしいです。

1,2年生は就活に向けて何をすればいい?資格は有利になる?

松本: 1,2年生の友人に話を聞くと、就活の具体的なイメージが掴めないとか、何からはじめていいかわからないとの声を聞きます。1,2年生はなにから準備したらいいんでしょう?

和山: 今わからないってことを受け止めて、「わからないから動く」って事をやろう! です。わからないから情報収集をして、参考書を見てみたり、先輩に聞いてみたり、キャリア・就職支援センターに聞いてみたり、色々やりかたはあると思います。
何から始めてもいいですよ。

とりあえず資格取っておけばいい?

松本: 就活を意識し始めた学生にとって、資格を取得したら就活有利になるだろうとか、こういった活動すれば有利になるだろうとか、そういった取っ掛かりを求めていると思うのですが、本当に資格は有用なのでしょうか?また、資格以外にガクチカ(=学生時代に力を入れたこと)に成りえる活動を探す上でどうしたらいいのでしょうか?

和山: まず、資格についてですが一部の専門的な職種を除いて、資格の有無だけでなく資格取得のプロセスが大切です。
確かに、経理職で簿記2級以上でないと応募出来ない求人もあります。ITも資格を持っていると“有利”です。ですが、企業は「能力・人柄・やる気」をトータルで見ているので、資格はその一部分でしかありません。
資格とったからすごいというよりは、どうしてその資格を取ろうと思ったのかの動機が気になるし、重要です。より専門的に学びたい、自分を成長させようと思って学んだ事が評価されています。

松本: 動機は本当に大事ですよね。ガクチカなどを書く際にも、動機や目標、今後どう活かしていきたいか?などは重要なポイントだなって思います。
TOEIC何百点です!と言うけど、応募した企業が国内で完結する企業だったり、ちぐはぐになってしまうと意味をなさないので、動機や今後などのストーリーが大事ですよね。

和山: そうそう。ある学生さんは、「高校まであまり勉強して来なかったけど大学ではしっかり勉強しよう」そして「授業に関連する資格を取ろう」という動機で簿記2級の勉強をして、結果「授業の理解が深まった」とか、「毎日30分はやろうと決めて実行し自己管理能力が付いた」と言っていました。

松本: そういった動機とか得た経験を言語化できれば、有利とまでいかなくても確実に“武器”になりますね。

学生時代力を入れたこと「ガクチカ」。ガクチカのために新しい活動するべき?

松本: 就活用に、コミュニケーション力を磨くため新たなアルバイトをしてみる、とかの心機一転とした挑戦を初めたほうが良いのかとの声もよく聞きますがどうでしょう?

和山: 就活と日常を分けないほうが良いと思います。コミュニケーション能力とか課題設定能力とか、企業が求めるようなものって実は新たな事を初めなくても、目の前のことに取り組む姿勢を変えれば身につくからです。やりたいことがはっきりしている人はそれをやればいいし、就活に有利になるようにと特別なアルバイトをやる方法もありますが、今やるべきことを100%やりきった方が違う事が見えてくるんじゃないかな?と思います。小さなことでいいんです。例えばサークルでみんなが挨拶しなくて雰囲気悪いという課題があったら、あなたが雰囲気変えるために何かやってみるとか。授業も、ああ苦手だな、ってなんとなくやってきた方と、苦手だから頑張ろう!と100%出し切った方って全然違います。全部の授業じゃなくていいから、一つ気になるものがあればそれだけでも頑張って、先生に毎回質問してみよう!とか、自分史上最高のレポートを書いてみよう!とか。そうやったら景色が違って見えてくると思います。多分次が自然に見えてくる。これガクチカに書ける経験になるし、実際に力が付きますよね。

松本: 目から鱗でした。なにか新しい力を得るには何か新しい事を初めなきゃと考えがちですけど、確かに今その場で100%の力を出せば次が見えてきますよね。少しネガティブな話になってしまいますけど、そういった目の前の事に100%取り組んで、駄目だったらば次のところに行こう!っていう“次”も見えますしね。取り敢えずやって損無いですね。

和山: そうそう!これから会社入って、やりたい事と違うなって思っても、与えられた仕事を100%やりきれば次が見えてくる。というか周りの人が放っておかないですね。こんなにこの仕事やってくれるのであれば、他の仕事任せたい、ということになります。

就活の鬼門「自己分析」と「自己PR」どうすれば?

松本: 自己分析って就活において必須ですが、かなりの鬼門だと思っていて、業界研究や企業分析で相手を知っても、自分を知らないと自己PRなどの伝え方がわからず、苦戦してしまいがちです。自己分析っていうとテーマが広すぎて漠然としていますが、どうやったら良いのでしょうか?

和山: 自分が何者かという概念とか、何が好きで何がやりたいかって、その時によってすごく変わると思います。自己分析って人生を通してのテーマだと思っているので、就活においては“就活の時点”って割り切って言語化する事が大事だと思います。
一つのやり方としては、過去現在未来について書き出してみて、アセスメントや他者の意見も参考に「現時点の就活用自己分析」をして、自分なりに「今の時点でしっくりくる表現」を探っていく事です。

松本: 僕も就活中の自己分析と今の自分がぴったり当てはまっているかと言うと、全然違うと思っています。広い視点で捉え過ぎちゃうとそれこそ人生のテーマレベルで難しい話になってきますし、狭すぎても足りなくて、塩梅が難しいですね。

和山: 自己PRについては、みんな「〇〇力があります!」って言わなきゃいけないと思いがちなのですが、モットーや価値観でもいいと思います。「基本徹底を心がけて行動しています」具体的には学業で△△△△とか。
自己PRって一歩間違えると自慢みたいになりますし、「人柄」や「入社したらこういう風に働いていく」という行動特性を伝えるという風にとらえてもいいと思います。皆さん「能力」を自己PRで伝えようとしているけど、能力は志望動機でも表すことができます。業界企業職種研究を深くすることで「会社の事よくわかっている、理解力がある」とか、「会社の分析する行動力がある、分析力がある」 と伝えることができるのです。自主的に「企業研究レポート」を作成して提出した方もいました。

松本: 自己PRとかでわざわざ具体的な言葉にしなくても伝わる事ってたくさんありますよね。僕も就活始めたての頃、自己PRを書く時に、よくあるPREPの書き出しの「〇〇力があります!」に囚われすぎて、悩んだときがありました。

ぶっちゃけ学歴フィルターってあるの?

松本: 嘉悦大学は偏差値で言うとかなり低いところですし、名が広く知られているわけでも無いと思います。そういった中で、学歴で印象が悪いんじゃないかとか、書類で落ちるんじゃないかと少し不安でした。ぶっちゃけ、学歴フィルターってあるんですかね?

和山: 会社によってはありますね。私が以前採用の手伝いをしていた会社では、偏差値が低い大学出身だと、事務処理能力が低いのではないか?と心配しました。ただ、逆に言うとその分SPIで高得点をとると、「事務処理の基礎能力は心配ない」と企業側の不安を払しょくすることもできます。

松本: 学歴に所以する基礎学力や処理能力が問われる会社や職種だと、学歴や筆記試験を注視されるんですね。

和山: はい、企業にもよりますが、学歴フィルターがあるか無いかでいうと、「ある程度はあるかもしれないなぁ」程度に思って行くのが良いと思います。

就活で企業を安心させるという視点

松本: 就活では自分をアピールするとか、自分主体の話に持ち込みがちですけど、企業を安心させるっていう視点で見るといろいろなものが見えてきますね。

和山: 昔、私が面接受けた際、事務職の面接なのに「あなた重いもの持てる?」と聞かれたことがありました。体力無いのでは、仕事休むのではと思われていたみたいです。それから面接の時はチークをして「痩せ気味なのですけど週1回は合氣道やっているので持久力は自信あります。」とか言って、自分から相手の不安を消そうと聞かれてなくてもアピールしていました。

失敗しがちな人の特長。第一志望は第一に受けるな

松本: 就活で失敗しがちな人の特長とかってあるんですか?

和山: 小さい失敗を恐れて行動が少ない人ですね。大きな失敗をしないためには小さい失敗を沢山することが大切だと思います。だから「就活で大きな失敗をしないために、小さな失敗しようを早くしよう」といいたいです。失敗して得た気づきを次につなげて行くことで、いい就活になっていきます。

松本: わかります。その話の延長線上として僕の持論がありまして、「第一志望は第一に受けるな」っていう。

和山: そうそう!そう!

松本: 始めに第一志望に駆け込むと、経験が浅いから失敗しがちで、失敗したらしたで第一志望で駄目だったっていうダメージって結構大きいんですよね。そういったところで、言い方は変ですけど、気になる企業の選考に何回も行って、小さい失敗や成功を重ねて、その経験をもとに第一志望行ったほうが受かる確率上がるんじゃない? ってよく友達に言ってます。

和山: すごく大事です!あと第一志望も、途中で出会いがあって第一志望がかわるかもしれないですしね。

迷ったら大学のキャリアカウンセラー

松本: 就活ってインターネットに様々な情報があったり、果たして自分がやっている事が適切かわからなくなってしまったりと、自分一人で活動するには無理があると思います。そういったときに、誰に相談するのがベストなんですかね?

和山: 嘉悦大学では週5日、プロのキャリアカウンセラーさんに来てもらっていて、オンラインでも対面でも相談が可能です。
ですので大学を利用してまずは専門の人に聞くのが一番王道だと思います。今4人のカウンセラーさんが居るので、1人の方にきいて、また別の方に話を相談することもできます。
学生数の多い他大学では全然予約が取れないと聞いたことがありますが、嘉悦大学は混んではいるけど1週間待っていただければだいたい予約取れます。

松本: 僕も3年の2月に利用したんですけど、1週間前に予約して、面談の最後に来週の予約をするみたいな感じでした。

和山: そう、殆どの方が面談の時に次の予約をするリピーターですね。

松本: 殆どがリピーターってお話ですけど、ちょっとした相談だけでも大丈夫なんですか?

和山: 勿論です! ぜひぜひ使ってください。

松本: 僕が利用した時は、履歴書と志望動機の添削にご協力いただいたのですが、他にどんな事をしてくれるんですか?

和山: 軽い相談から添削、面接練習、あとは一緒にナビサイトの画面見ながら会社探しなど。ハローワークから来てくださっているカウンセラーの方はハローワークの求人を紹介してくれます(4年次6月~)

松本: 大学1,2年でも利用できるんですかね?

和山: もちろん大丈夫です。少ないけど利用している方いますよ、今から調べておきたいとか、インターンシップの探し方を教えてくださいとか。
頼ることが苦手な方もいらっしゃると思うのですけど、適度に頼る事って自立・自律のために必要な事だと思っています。皆さんのサポートが生きがいの人間がやっています。ぜひ利用してください。

松本が就活でやってて良かった事。キャリアカウンセラーの利用法。

私、松本が就活中にやっていて良かったと感じるのは、「大人を使ってPDCAサイクルを回す」事です。

まず、沢山の大人と話します。大学のキャリアカウンセラーさんは勿論、大学の先生、企業主催のセミナーや座談会など、多くの大人と話せる場所に足を運び、多くのお話の中から自分に合った就活への取り組み方や考え方を育み、選考に挑みました。そして、面接の最後などに面接官にフィードバックをお願いし(事前にフィードバックを行って居ないという断りがなければ大体もらえます)、頼れる大人の所に戻って、そのフィードバックをもとに相談したり、また新たに取り組み方や考え方を育む。といった流れです。
これを自分の中や同年代の友人との間で完結してしまうと、道を逸れてしまう可能性があったり、新たな事を学ぶきっかけが少なくなってしまいます。なので、大人やプロに頼るんです。
こういった評価と改善を行う上で、嘉悦大学のキャリアカウンセラーはピッタリです。とても親身に対応して下さいますし、面接練習や添削だけでなく、「昨日の説明会どうだった?」「じゃあ次はこうしてみよう!」と、評価改善のアドバイスを下さいます。さすがプロです。

最後に。就活攻略本「Career Handbook」のすゝめ

今回、キャリア・就職支援センターの和山さんとの対談を通じて、やっぱり大人と話すと違うなあ、としみじみ感じました。就活中もそうでしたが、自分が感じているけど言語化出来ていない部分を、大人の力を借りて言語化するだけで、その後の意識や行動が180度変わってきます。
この記事が少しでも役にたって、キャリアカウンセラーにちょっと相談してみようという気になって貰えていれば嬉しいです。

また、嘉悦大学のキャリア・就職支援センターでは就活のここだけ押さえておけば大丈夫!という所を網羅した冊子(Career Handbook)を配布しています。
この冊子、当記事の取材のために初めてチェックしたのですが、就活の自己分析や面接対策などのほぼすべての事を事細かに、且つ満遍なく、わかりやすく書いてあり、就活の攻略本と言っても過言ではない程のものでした。就活中にこの冊子の存在を知っておけば良かった!なんて後悔した程です。
学生は学ナビのリンク「キャリナビ(キャリア・就職支援センターポータルサイト)」からweb上でも読めるので、是非チェックしてみてください。

文責:学生広報部 松本 慈源(ビジネス創造学部4年)

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