学生広報部レポート/理事長インタビュー/チャイルドスポンサーシップに参加

学生広報部レポート/理事長インタビュー チャイルドスポンサーシップに参加   国際NGO団体ワールド・ビジョンでは、貧困地域に住む子供“チャイルド”を紹介し、子供を取り巻く環境を改善する長期的な支援活動「チャイルドスポンサーシップ」を行っていますが、この度、本学園の植村理事長がチャイルドスポンサーシップで支援を始めると伺い、学生広報部の中で貧困問題を関心事として進める私、水落がお話を伺ってきました! インタビュイー:嘉悦学園 植村裕之理事長 インタビュアー:ビジネス創造学部3年 水落智也   シェアすることが大切

水  落 : まず最初に、チャイルドスポンサーシップに参加しようと思った理由を教えてください。

植村理事長: チャイルドスポンサーシップ自体はテレビで紹介されていて知りました。私は小さいころ貧しい家庭で中学、高校と毎朝新聞配達を120件くらいして学費の足しにしていたのですが、冬の朝4時、5時はとても寒いんです。ですから心も寒くなって辛いなと思うこともあったのだけれど、中には新聞の投函を外で待っているおじいちゃんもいて、その方が「おはよう」とか「ご苦労さん」という言葉をシェアしてくれると心が温まったんです。ですから小さな頃から分かち合うということのイメージを自分なりに持っていたので、寄付できる団体にはなるべく寄付しようと思っていました。そんな時に、たまたまテレビでチャイルドスポンサーシップのことを見て「よし、やろう」と思いました。

水  落 : なるほどですね。でも、ほかにも貧困地域を支援する団体はあると思うのですが、なぜチャイルドスポンサーシップを選んだのですか?

植村理事長: 実は私は今までにも、他の2つの慈善団体に支援をしてきました。 しかし、お金を出してもどこに使われているかわからない。2割~3割は事務費に使われているともいわれていますからね。 そんな中、チャイルドスポンサーシップは支援者に「この地域の〇〇君を救うためにお金が使われます」としっかり明示している。また、支援した子供から手紙などで連絡をくれるという制度を知ったので、これはいい! やってみよう! と思いました。

水  落 : いつ頃からスタートする予定ですか?

植村理事長: 4月頃からスタートしようと考えています。 私の背中には嘉悦学園がありますから、嘉悦学園の学生さんに喜んでもらえる行動は何だろうと考えて、まずは私がやってみようかなと思いました。それが良ければ学内に浸透していくのではないかと考えています。

  貧困地域で感じたこと

水  落 : 実際に理事長が支援を始められるとのことですが、支援する人数や場所は考えていますか?

植村理事長: 最初は2人支援しようかなと思っています。地域は考えてないけど何かアイデアはありますか?

水  落 : フィリピンなどが良いのではと思います。今人口がすごく増え続けていて、平均年齢もすごく若いので将来の期待も込めてフィリピンが良いのかなと思います。

植村理事長: わかりました。2人分ありますしアフリカとアジアで考えていたので、もし国まで指定できるのであればフィリピンにします。

水  落 : ありがとうございます。 ちなみに、植村理事長は貧困地域に行かれたことはありますか?

植村理事長: 会社勤めをしていた時にインドネシアに行ったことがあります。 今はペーパーレスの時代ですが、その頃の企業は紙をものすごくたくさん使っていました。紙を使うということは何千本もの木を切って紙にして使っているわけで、紙にする分だけ木を植えれば±0ということで、インドネシアの貧しい地域の土地を買い、そこにマンゴーとマホガニーの木を植えるために行きました。

水  落 : 貧しい地域に行かれてみてどんなことを感じましたか?

植村理事長: 今でも時々夢に出てくるのですが、女の子が来て「おじさん、日本人から貰ったので替えてください」と、500円玉を持ってきたんですね、でもその時は皆と仕事の最中だったので「仕事中だからごめんね」と言って仕事を続けていたんだけれど、後で考えてみたら、インドネシアで日本のコインを持っていても全然使い物にならないのですよね。忙しさにかまけて断った時の女の子の目が忘れられません。あの500円玉はあの子にとっては大金で、替えてあげれば何日も食べることができたのかなと思うと辛くて、そういうことを思うと植林して環境を守るだけではなく貧しくて困っている子供を守る慈善活動も必要だなと感じました。

水  落 : そのようなきっかけがあったのですね。今回支援するにあたってゴールはどこになりますか?

植村理事長: やっぱり教育を受けるチャンスを獲得するということを一番の目標にしたいですね。自分が支援している子供が学校に行けたということは飢餓を脱出できたということですし、健康であるから学校に行けるので、その2つを克服して教育の機関にたどり着いたということは1つのゴール。そこから先は個人個人の人生ですからね。そこはみんなの力で生きてもらわないといけないと考えています。

  SDG’sについて

水  落 : 今回の活動もSDG’s達成に向けて貢献していると思うのですが、他に大学でSDG’s達成に向けて取り組んでいること、今後取り組もうとしていることはありますか?

植村理事長: 1つはジェンダーの問題です。性の差別や、人種差別の問題は学校の身近で起こりうることなので、これにきちっと対応しないと学生の気持ちに寄り添うことができないのではないかと強く思います。 また、SDG’sの17の項目の中に「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさを守ろう」というものがありますが、だんだん日本も荒れてきていますよね。水もかなり汚れて陸も伐採で荒れてきている。ですから、自然にも学生の皆さんは関心を持たなければならないのではないか、と感じますね。

水  落 : 今回の取り組みの後、大学でSDG’sや貧困について授業などで学べる機会は増えてきますか?

植村理事長: 今、学長と学部長にSDG’sを学ぶ、知る、そのようなカリキュラムができないだろうかと検討をお願いしています。今のカリキュラムが終わり、その次の新しいカリキュラムにSDG’sの概念を入れる科目ができないだろうか、と。そうなると、それを教える先生も必要になるので決して簡単な話ではないのですが、なるべく学生の皆さんに4年間でSDG’sについて知り、デジタルに習熟してバランスの取れた人格者として卒業してもらいたい気持ちがあります。

水  落 : SDG’sや貧困について関心の無い学生や、関心はあってもよく知らないという学生が多いと思うのですが、そのような学生はどういったところから入っていけば良いと思われますか?

植村理事長: それが今回のチャイルドスポンサーシップなんです。こういった貧困や飢餓といったことに貢献したことで興味を持っていただき、国連に17の項目があってそのうちの1つに我々はコミットしているのだなということで深堀りし、SDG’sについて知ってもらう。このような形が一番良いのではないかと思っています。

水  落 : なるほど、大学としてSDG’sの取り組みとつながっている、そのきっかけが今回のチャイルドスポンサーシップへの参加というわけなのですね。ありがとうございました。 それでは最後に、理事長からメッセージをお願いします。

植村理事長: 今、この世界を見渡してみると、小さい子供たちが不幸に苦しめられているわけですよね。大雑把に地域としてはアフリカ、アジア、南米の3地域。そこで共通しているのは、「政治の不安」か「経済の不安」か「戦争の不安」。だいたいそういうところに不幸な方が増えてきている。 国連もそのような状況を助けようとして世界各国に呼び掛け、SDG’sを挙げましたよね。その中の項目に貧困などが出てきているのですが、3つの地域で出てきている現象は「飢餓」「健康」「教育が受けられない」。この一番の被害者は子供なのですよね。子供たちがこの影響を受けて何を失うかというと「未来」を失うのですよ。やはりそういう子供たちを救ってあげたい。日本の皆さんはテレビなどで見て可哀想だなと同情はしていると思うのですが何もしていないのですよ。けれども応援するためにできることは3つあると思うんです。1つは「言葉をかける」。2つ目は「文字に表す」。3つ目は「金銭を渡す」。私はシェアすることが大事だと思っています。皆で分かち合うということ。皆が恵まれない子供たちに共感、同情して、それぞれのやり方で皆でシェアして救っていくべきだなと思っています。

  インタビューを終えて 植村理事長とのお話を終えて、理事長はSDG’s達成や貧困をなくそうという気持ちがとても強いということがわかりました。また、学生にも深く関心をもってもらうにはと考えていることがとても伝わってきました。 私も貧困などに関心があり、フィリピンにも行ったことがあります。チャイルドスポンサーシップは知ってはいましたが、月々4,500円は学生にとって簡単に払える額ではないため、今回は理事長が自ら試験的に支援するという形ですが、いずれは大学を巻き込んで学生も支援できるような仕組みを植村理事長と話し、実践できればと思いました。学生広報部としてもできることとして、今後もSDG’sやチャイルドスポンサーシップについて発信していきます。  

文責:学生広報部 水落智也(嘉悦大学 ビジネス創造学部3年)

 
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