学生広報部レポート/岩手県山田町の地域活性化プロジェクト

学生広報部レポート/世の中の“面白い”を学問する現場から7 木幡・岩月ゼミ 岩手県山田町の地域活性化プロジェクト ~震災から10年を迎える東北へ都内の学生がコロナ禍でもできること~   こんにちは。学生広報部の水落です。今日は、私も参加している嘉悦大学の研究会(ゼミ)の中で東北の地域活性化プロジェクトを実施していますが、震災から10年を迎える今年度の様子をレポートします。 例年、木幡・岩月ゼミの3年生は岩手県の三陸に位置する山田町に訪れています。嘉悦大学ビジネス創造学部学部長の木幡先生はマーケティングを専門としており、岩月先生はフードビジネスを専門としています。そのため、ゼミの学生は山田町の食べ物や施設、アクティビティを体験し、今後どのようにすれば観光客を増やすことができるのかを考えてきました。 しかし、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大により山田町に行くことができませんでした。 そのため、実際に行くことができない学生はコロナ禍でも岩手県山田町をたくさんの人に知ってもらい、コロナが収束した後に観光客が来るような策があるのではと日々考えてきました。 2020年11月25日(水)に嘉悦大学木幡・岩月ゼミの学生と岩手県山田町の方とオンライン会議を行いました。その様子がこちらです。   オンライン会議では、山田町の過去・現在・未来を考えコロナ禍でもできることを議題に実施しました。 今回の発表では山田町からこちらの方々に参加していただきました。 教育委員会 箱山さん 教育委員会 指導主事 加藤さん 水産商工課 観光振興係 千代川さん   学生提案企画 今回の活動で学生は通販、SNS、レジャー、山田町の未来を考えるワークショップの4チームでそれぞれ山田町を知ってもらうには、観光客を増やすにはなどの企画を考え、山田町の方々へ発表しました。   通販チーム 今あるものを最大限に活用し、通販システムのリニューアル案や新たなモノの売り方についての施策を提案。 サイトの問題点として、商品の写真を変えたほうがいい、購入方法で手間がかかるなど挙がったため山田町の方々へ提示しました。 また、リニューアル後の案として復興支援やCOOKPADを用いた企画を提案しました。   SNSチーム SNSやメディアを駆使し山田町の魅力や嘉悦×山田町プロジェクトを全世界に向けて発信しようと企画し、山田町のホタテや赤皿貝を実際に取り寄せて調理しているシーンなどを撮影し動画を作り今後YouTube等動画サイトにアップしようと考えて発表しました。   レジャーチーム レジャーチームは日々変わる自然のアートの中で遊ぶ・学ぶ・楽しむをテーマに新たなレジャーの企画を提案しました。 街で遊ぶ・山で遊ぶ・海で遊ぶこの3つをテーマに提案させていただきました。 街:サイクリング、電動スクーター観光 山:里山昆虫教室、パラグライダー 海:釣り、バナナボート などを挙げ、新しいレジャーとして海でサーフボードに乗りながらヨガをするSUPヨガを提案しました。   未来の山田を考えるワークショップチーム  10年後の山田町はどのような街なのかを考え、発見した魅力を共有・行動指針・外部PRへ活用し、グループで町歩きをして、埋もれている山田町の魅力・観光資源を掘り出すという企画を提案しました。 町全体を巻き込んだ企画で、町民と東京の学生が一緒にワークショップをすることによって、町の中にいる人が知っている魅力と町の人にはわからない東京の人が気づく魅力があると思います。気づいた魅力を共有して、町の魅力を深掘りして全国に発信しようと考えています。   山田町の方からのご感想 水産商工課 観光振興係 千代川さん SNSを使った販売は、町でも事業者の方にネットの販売をするために講習会をしようと考えていました。すでに、インスタグラムや動画などで商品を発信するためにSNSの講師を招いて勉強会をしているところです。 レジャーの提案については現在シーカヤック、潮風みちのくトレイルをやっているので実現可能だと思いました。今はコロナ禍で実際に会って打ち合わせとかは難しいですが、町と学生で連絡を取りつつやっていければいいなと思いました。 教育委員会 指導主事 加藤さん 山田町の人より学生が山田の事を知っていて、山田の事を考えてくれてありがたいです。 現在の山田町の問題点を的確に洗い出してそれぞれの改善案を明確にしていただいてどのチームも素晴らしかった。 発表の中で、学生ができることをいくつか提案してもらったが、学生だけでなく学生と山田町の高校生、大学生と一緒になってやっていけたら面白いのかなと思いました。 また、ワークショップは今まで考えてこなかったので新鮮で面白いと思いました。 教育委員会 箱山さん 山田町で作ったものは学生、若い人から見てどう思うのかモニターになってほしい。 また正直なことを言うと、今年の発表は優しく、優しい学生が多いのかなと感じた。去年は厳しい話がバシバシあった気がするけど、今年はできそうな提案が多かった。なので、もうちょっと踏み込んでも大丈夫ですよ。   木幡先生のコメント 岩手県山田町と協力することになったきっかけってなんですか? 私と箱山さんは平成18年頃からの付き合いで、私が大学院の博士研究をしているとき岩手県とのつながりがあり、当時箱山さんは山田町の教育委員会の方でした。 2011年の4月に山田町で学校評価の調査研究を一緒にやりましょうと2月に山田町に行って打ち合わせをしていたんですけど、3月に震災が来てほぼ1年間何もできませんでした。 しばらく経ち、東北は「復興」から「発展」に向かって考えるなか、次はどこを目指そうとなったときに箱山さんとはなし、学生を山田町に連れて行こうとなりました。   今回の活動を通じて学生にはどのような力を身に着けてほしいですか? 今年はコロナの影響で行けなかったんですけど、行かないとわからない事がたくさんあって、たくさんというのも人によって違うけど、まずは、三陸がとてもステキでキレイなところというのを学生に感じてほしかったです。海がきれい。山がきれい。日本の自然を思いっきり体験できる場所。日本の色んな地方の中でそれぞれの良さとか美しさを感じてほしかったです。 もう一つは、その場所には必ず課題があって、何とかしなきゃいけないと思っている人たちがいて、そこに行ってどうすればその人たちの役に立てるのか、人の役に立つというのを考え、探し出してほしいです。学生が調べて手伝うことってすごく大きな力があるので課題を解決したい人と一緒に働けるとHAPPYですよね。だから、その人たちと一緒に良くするために考えるスキルを身につけてほしいです。   まとめ 2021年3月11日で東日本大震災の被害から10年を迎える岩手県山田町と協力してゼミ活動を行えることがとても貴重なことだと今回発表をして感じることができました。 私は通販チームで発表させてもらいましたが、どのチームも発表直前まで作業に取り組んでいたものの、各チームの案は山田町の方が望んでいたものとは少し違ったと感じました。山田町の方は「若い人の考え」を取り入れたかったと思うのですが、今回発表した案はすでに行っているものなど、正直にいうと誰でも考え付く提案に落ち着いてしまったと思います。なので、もう少し攻めたもの・尖ったものを提案するとさらに良い話し合いになったのではと思いました。 発表の感想として箱山さんから言っていただいた「優しい学生が多い」というのは褒め言葉ではなく「もっと頑張れ」というメッセージだと受け取り、今後も山田町の力になれるように活動していきます。  

文責:学生広報部 水落智也(嘉悦大学 ビジネス創造学部3年)

 
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