研究会一覧ビジネス上のトラブル解決方法を法律の視点から考える(企業法研究)

小菅 成一 教授

ビジネス法務
企業組織と法
コンプライアンス

教員の専門分野/民事法学

会社経営者の機能や責任、会社の資金調達(株式や社債などを利用)や組織再編(合併、分割など)の方法、株式会社を中心に企業の組織運営と法律との関わりについて研究します

皆さんの多くは大学卒業後「会社」に就職することでしょう。なかには将来「会社」を設立してビジネスを始めたいと考えている人もいるでしょう。

会社には、トヨタやソニーのような国際的な大企業もあれば、中小企業で実質は個人企業といったものもあり、そこで生ずる問題は様々です。ここ最近の会社をめぐるニュースを挙げると、虚偽の情報開示とガバナンスの不全(日産自動車のカルロス・ゴーン元社長の虚偽の報酬開示のケース)、株式の不公正取引(ドン・キホーテ前社長の知人への自社株推奨に係るインサイダー取引のケース)、敵対的な企業買収(コロワイドによる大戸屋の株式取得のケース)などがあります。

この研究会では、会社に生ずる問題について法律的な観点から研究していきます。とくに「会社法」とよばれる法律(関連して商法や金融商品取引法も)を取り扱います。より具体的に言うと、会社の管理・運営のあり方(株主総会、取締役会・代表取締役、監査役等のコーポレート・ガバナンス)、会社をめぐるお金の流れ(株式や社債等によるコーポレート・ファイナンス)、会社の基礎・枠組みの変化(会社の設立、合併や会社分割等の組織再編)について、法がどのような制度を設け、どのように規制しているのかを勉強します。会社法は、企業の経営や経済活動と密接な法律です。会社法を勉強することで、現在の日本や世界の企業の活動状況等に関わる知識を得ることができると考えます。

この研究会では、受講生による報告と担当教員による補完的な講義のほか、法律の世界には欠かせない判例(裁判所の判決)についての研究ができるようになるための勉強をしていきます。そうした勉強をしていく過程で、研究会における発言(議論・質問)の仕方、報告書の作り方、報告の方法等、研究会で学習するための能力を養います。

  • 学びのステップ/2年次には、民法(企業活動の基本法でもある)や会社法について勉強していきます。3年次には、受講生が会社法I・IIの単位を取得していることを前提に、会社法に関する判例や企業実務で注目されている法律問題について研究していきます。受講生自身に関心のある会社法に関わるテーマについて報告してもらいます。4年次には、3年次の研究会で報告したテーマを中心に、受講生に報告書(就職活動時に要求される研究テーマの対策にもなる)を作成してもらう予定です。

【自己紹介】東京都の出身です。2005年から嘉悦大学に勤めています。担当する科目は、会社法Ⅰ・Ⅱ、商法Ⅰ・Ⅱ、経済法、金融商品取引法等です。
私の研究分野は、商法や会社法です。学生時代は法学部に所属していたのですが、もともと企業や経済のことに関心があったため、そうした活動を規制する法律分野である商法や会社法を専攻することになりました。法律は、憲法や民法、刑法をはじめ数多くあります。そのなかでも企業のビジネスについて規制する商法や会社法はダイナミックでとてもおもしろい法律だと思います。一緒に商法や会社法について研究してみませんか?

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