研究会一覧経済学を学ぶ

加藤 寛之 准教授

経済
景気
株価

教員の専門分野/経済学

経済学そのものをテーマとする研究会です。景気、株価、為替の変動など、「起こる現象を説明できる理論」を作る。「データの法則性」を見つける。そんな経済学の魅力に迫ります

経済学は景気、株価、為替、失業など色々な現象を説明するための理論を作ったり、データの法則性を見つけることをする学問です。この研究会は、考える作業が好きな人に向いています。個々の事実を暗記するというより、結論に至る過程を数学やパズルを解くように楽しむ姿勢、受け身ではなく自分で考える姿勢で取り組んでください。また、何かを正しいとする際に、どれだけの客観的事実や論理的推論が必要なのか、その作法を体得してもらいたいと思います。

マクロ・ミクロ経済学、産業組織論、国際経済学、ファイナンス、ゲーム理論、計量経済学などを基礎としながら、現実の景気や物価、企業収益、株価、財政、金融など様々な経済の様子を説明できるようになることを、主に本や論文などの輪読を通して、目指します。

2年次の研究会A1、2では、入門的な教科書、文庫本、新聞、雑誌などを題材としつつ基礎的な経済学を学びます(最近は「ミクロ経済学の第一歩」安藤至大著を輪読しています。ミクロ経済学は分野の一つというより今の経済学の基本となるものです。スライドを作って前で発表してもらっています。それ以前は、新聞記事や様々なマクロやミクロの教科書、経済学の入門書などを輪読していました)。

3年次の研究会A3、4では、主に学生の興味に合わせて、少し進んだ内容の本や論文等を輪読します(今年は、「マクロ経済学」アセモグル・レイブソン・リスト著を輪読しています。アセモグルは今世界的に活躍されているスター教授です。昨年は、「「原因と結果」の経済学 : データから真実を見抜く思考法 」 中室牧子・津川友介著、と「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」伊藤公一朗著を輪読しました。RCTや自然実験は、近年の最先端の分野です。それ以前は、「公共経済学入門」上村敏之著、「日本経済入門 」野口悠紀雄著などでした)。

4年次の研究会A5、6では、今まで学んだことの中で、自分で興味を持った事柄について学術書や論文を読んでもらいながら、希望者には卒業論文を作成してもらいます。新しいことをやるというより、既存のものをよく勉強して理解している、ということを重視してます。それ以外は通常の輪読をしています。今年は、「分析者のためのデータ解釈学入門 」江崎貴裕著を輪読し、社会人になったら接することが多くなるデータ分析を理解する際の注意事項を学んでいます。

【自己紹介】私が十代の頃は、ちょうど冷戦の崩壊、政権交代、バブルの崩壊などがあり、その後は低成長の時代でした。 今まで当たり前のように、一流だといわれていた思想や企業や国の在り方は通用しなくなっていて、自分なりの考えや結論を出すことを求められていましたが、よく分からなくて混乱していました。そんな中で、経済学はそうした社会のあり方の根本を、客観的に論理的に問うているように思って大変救われたように記憶しています。結局その後、経済学を専門として生きるようになってしまいました。

pagetop