学校法人 嘉悦学園

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教職員リレーコラム

【教職員リレーコラム『110周年から始めよう』第5回】内省できるこころの強さを(宮本潔)




内省できるこころの強さを

文/宮本潔
      110周年記念事委員会 副委員長  


私は嘉悦学園にお世話になって2年半になります。他業界に長らく身を置いていたものとして、間接的にではありますが生徒・学生の成長に関わる仕事に携わることによる充実感、満足感を、日々感じています。

さて、110年の伝統のもと、これまで積み重ねてきたものの上に立ち、学校法人嘉悦学園は新たなステージに向けて進化しようとしています。いわずもがなですが、建学の精神である校訓「怒るな働け」は不変のものです。そのもとで掲げた新ビジョン「アクティブ嘉悦人(AKP)、世界を往く」は、現代社会で嘉悦学園が送り出すべき人物像と、世界で活躍するその様子を、嘉悦学園が新たなステージで達成すべき到達点として表現したものです。

それでは、アクティブ嘉悦人(AKP)とは、一体どのような人物なのでしょうか。ここでは、新ビジョンとともに定義されたAKPが備えるべき「7つの資質」を紹介し、これについて私が思うところを簡単に述べようと思います。

「7つの資質」とは以下の7つを指します。

1.クリエイティブである

2.内省できる

3.共感力がある

4.前向きで向上心がある

5.論理的思考ができる

6.国際感覚が優れている

7.語学力がある

この中で、私は2の「内省できる」が最も重要な資質ではないかと考えます。人は誰でも自分にとって都合の悪いことは他人や環境など外部のせいにしがちです。しかし、その姿勢のままでは人としての成長や発展は期待できないのではないでしょうか。

たとえ都合の悪いことであっても、そこから目を背けずに真正面から自分のこととしてとらえ、自ら反省して、行動変革に踏み出す。これこそが、AKPが兼ね備えるべき「こころの強さ」であり、他の6つの資質の開拓にも繋がっていくコアな資質ではないかと思います。

卒業生は社会に出て様々な道を歩むことになります。例えば企業に就職するとして、その企業が体系的にあるいは組織文化として人を育てるところもあれば、必ずしもそうでないところもあることでしょう。どちらであっても、結局は自分自身が内省する意識を持てるのか、その姿勢を保ち続けられるのかによって、その人の会社人生、あるいは人生そのものが決まっていくことでしょう。いいかえれば、人にとって最大の財産は、内省できる資質・能力であり、したがって自らのこころの内にあるのものではないかと考えます。

これが私にとって校訓「怒るな働け」の意味するところであり、私が解釈しているAKPが備えるべき資質です。

 まず私自身が率先して、そして教職員全員が率先して内省をはじめとした7つの資質を磨き、生徒・学生、卒業生、その他の関係者を含めた嘉悦学園全体にとっての無形の財産にしていきたいと考えています。

 

【教職員リレーコラム『110周年から始めよう』第4回】"ACTIVE ACTION"を胸に貢献を(菊田俊和)




"ACTIVE ACTION"を胸に貢献を

菊田俊和
      110周年記念事業委員会 法人部会長 


嘉悦学園が創立110周年を迎えて、110周年と言われても入職3年目の私にとっては、気の遠くなる話で現実、実感がなかった。今回の110周年事業は、今後の125周年や150周年を見据えての「マイルストーン」であるとの位置づけがなされ、法人での業務と110周年記念事業をどのように係わっていくかを自分なりに考えてみた。その結果、周年とはとらわれない将来への始まりの一歩として110周年を捉え、「110周年から始めよう」をコンセプトとして以下に取り組むことを考えた。

@学園資料をアーカイブとして取り纏める

A寄付の募集

B同窓会との結束を強固なものとする

@資料といっても110年分の資料は、非常に膨大である。紙のものもあれば、ビデオテープ、レコード等その保存の形だけで時代の変遷が分かるものである。また、アーカイブとして将来保存していくものをどうするか考えなければならない。今年度は、そのような資料を取り纏めてデータ化し、形態により分類した。今後は、物品の保存方法の検討、ビデオテープ、音源のデジタル保存を行い、将来の展示室設置や学園年表作成等への足がかりとなるような活動をしていきたい。

A寄付は、今後学校運営の一つの収入源として重要となっていくものであるが、今年度は、同窓会から多額の寄付をいただき、また、予想外にも卒業生からの寄贈が多数寄せられた。これも、110周年の伝統が誇るものであると感じられた。今後は、ホームページ等で教育活動支援の寄付を集めるシステムを構築し、寄付を募るよう取り組んでいく。

 B同窓会は、中学高校に「翠光会」、大学に「光風会」があり、日々様々な活動で学園を支えていただいているが、これを更に活かし、学園との結びつきを強固なものにしたい。同窓会会報誌での学園の活動状況の紹介することにより卒業後の学園を取り巻く環境を知ってもらい、また関心を持っていただいた方から寄付や寄贈のお願いをし、前述の寄付の促進を図っていくよう取り組んでいきたい。

 最後に私自身の「110周年から始めよう」であるが、"ACTIVE ACTION"という言葉で行動することをテーマに掲げてみた。「怒るな働け」の現代解釈の「ACTIVE KAETSU人」を拝借したものであるが、"ACTIVE "の意味である積極的、活発な"ACTIVE ACTION"行動で学校に貢献していくこととしたい。

【教職員リレーコラム『110周年から始めよう』第3回】「ありがとう」の言葉とともに未来へ(芦澤康宏)




「ありがとう」の言葉とともに未来へ

文/芦澤康宏
      110周年記念事業委員会 中高部会 部会長 


2013、嘉悦学園は開学110周年を迎えました。私たち中・高では、この記念すべき110周年にあたり、「感謝 ーありがとうー」を110周年記念事業の基本コンセプトに定め、生徒と共にスローガンを「愛情濃縮果汁110%!」に決定。このスローガンのもとに生徒・教員が協力し合い、110年の長きに渡って皆さまに支えられ、たくさんの有縁の方々のご理解とご支援のもとで教育活動を展開できたことに感謝し、嘉悦学園が辿ってきた110年の歩みをしっかりと振り返りながら、未来に向かって新たに進む一歩としての文化フェスタ開催となりました。

本年度の文化フェスタは通常のものとは別に、開学110周年の記念事業として、

@全生徒・教職員に110周年記念ロゴ入りポロシャツの作成 

A来校者・受験生に対して110周年記念ロゴ入りハンドタオルの配布

Bトップアスリートと生徒との交流

以上3点を文化フェスタに合わせて実施しました。

@、Aに関しては生徒会生徒が様々な意見の中から取捨選択をして計画案を持ってきました。本校の夏用ポロシャツは通常白色で、あまり生徒に人気はなかったのですが、広く生徒の意見を聞き、生徒会活動を通じ職員会議で許可を得て、新色の紺色を導入することに結び付けました。

胸にワンポイントの記念ロゴを入れ、常に110周年を意識できるデザインを生徒自らが考案してくれたのは、とても嬉しいことでした。生徒たちにも大人気で、一気にポロシャツで通学する生徒が増えました。

また、おもてなしの気持ちも忘れずに、文化フェスタ来校者や次年度の受験者にまでハンドタオルは配布する案が出てきたときには、「嘉悦」の教育が確かに生徒達に浸透しているという思いで胸がいっぱいになりました。素直に成長してくれて、本当に感謝しています。教員の指示に従うだけではなく、「自分たちの生活の場」として学校を捉え、生徒自治を考える良い機会だったと思います


また、教員側も生徒たちに何か心に残るものをとの考えから、特に部員が多いサッカー部およびテニス部に対しトップアスリートとの交流を通じてより高い目標を持たせ、努力する大切さを教えようと、サッカー部には元日本代表の小倉隆史・中西永輔・小林慶行氏をお招きしてサッカースクールを開催。テニス部には元デビスカップ代表選手の丸山薫氏をお招きし、テニススクールを開催しました。

トップ選手が見せる華麗かつテクニカルなプレーひとつひとつに生徒はビックリしていました。ただし、そこに至るまでには厳しい練習と常に高いモチベーションがあることも同時に学んだようでした。日々の学校生活がスポーツ技術にも直結している事を学ばせたいと思っていた教員の意図は、見事に的中した結果となりました。

このように、今回の110周年のイベントを通じ、教員と生徒の結びつきがより強くなり、明るい「かえつっ子」たちがより明るく学校生活を送ってくれている事は何よりの喜びです。また、相手を思いやる気持ちも育ち、先日も女子バレー部が大雪の際、駅からの歩道を一生懸命雪かきをし、近隣の方々から感謝されるという嬉しい話もありました。


110周年は学園にとっては1つの通過点ではありますが、私達にとっては大きな出来事です。これからも、いま抱えている諸課題の分析と、現状に対するしっかりとした反省の上に立ちながら、今まで以上に充実した学校生活を送り、また、「ありがとう」の言葉を添えて、社会に向けてこれからも発信してまいります。

そして、来るべき未来社会において、本校で学んだすべての生徒達が、「AKP (Active KAETSU人)」として生き生きと活躍し、幸福に過ごすことができるように、全力で取り組んでまいります。

あらためて、かえつ有明中・高等学校の教育活動に対します皆様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。


【教職員リレーコラム『110周年から始めよう』第2回】学園を守り続ける、重い義務と誇らしい使命(小野展克)




学園を守り続ける、重い義務と誇らしい使命


文/小野展克 
      110周年記念事業委員会 大学部会 副部会長(部会長代理)


大学は本当に恵まれている。110周年記念事業の担当をして、たびたびそんな思いを味わえた。110周年記念事業の一環として企画した「3大セミナー」のスタートは昨年5月に開かれた田中均元外務審議官の外交セミナーだった。

田中氏は、電撃的な小泉元首相の訪朝を実現した伝説の外交官。尖閣諸島問題をめぐって緊張した日中関係、TPP(環太平洋連携協定)の行方...。淡々とした口調が、徐々に熱を帯びる。現場を踏んだ外交官だからこそ語れる鋭い見識が示され、ときおりドキッとするような秘話も繰り出された。

セミナーの良い所は、生の表情や息遣いに触れることができる点だ。聴衆が熱心に聞き入る姿勢が、講師の気持ちをさらに盛り上げる。どれだけネットが発達しても、セミナーの魅力は色あせることがない。

田中氏をお招きできたのは本学の赤沢正人学長が元外交官で、田中氏の先輩だったご縁だ。ただ、それには大きな前提がある。大学という器が、人を駆り立てるのだ。若者の成長に一役買えれば―。そんな思いで、3大シンポジウムには多くの著名人が花小金井のキャンパスまで駆けつけてくれた。


「アベノミクス効果で企業は五重苦(円高、法人税高など)から解放されて、経営者は業績悪化の言い訳ができなくなりました。企業が生き残るにはニッチでも世界で通用する事業を持つ必要があります」

学生や教職員に多くの地域の方々...。富山和彦氏の刺激的な言葉に、カエツホールに集まった220人を超える聴衆が聞き入った。富山氏はダイエーやカネボウの再生に導いた事業再生のプロ。経済同友会の副代表幹事も務める日本を代表する経済人だ。

アベノミクスをテーマにした9月のシンポジウムには、その冨山氏に加え、安倍首相のブレインでもある本学の高橋洋一教授、小泉政権の郵政民営化を支えた跡田直澄教授、ボストンコンサルティング・パートナーの秋池玲子氏がパネラーとして参加。テレビや雑誌で活躍中の人気評論家、宮崎哲弥氏が司会を務め、刺激的な議論が展開された。

「これからの日本の未来を作れるのは中小企業家しかいません」。

株式会社ミナロを創業した緑川賢司氏。全日本製造業コマ大戦を主催し、中小企業の技術力を世界にアピールした緑川氏の言葉は聴衆に夢と勇気を与えた。12月に開かれた大学院エグゼクティブセミナーには、緑川氏に加えてボストン コンサルティング グループ前日本代表で早稲田大学大学院商学研究科教授の内田和成氏、ジャーナリストの嶌信彦氏が参加。一流のパネラーが繰り広げる議論に会場も活気づいた。


学生たちは、時に驚くほど怠惰で、痛々しいほどデリケートだ。ただ、ちょっとした出会いや学びで、驚くほど成長する。教職員に加えて、未来を担う若者に何を伝えたいという第一線で活躍する方々、地域の人々との触れ合いが加わり、ユニークな化学反応を引き起こす。

やはり、大学は素晴らしい。私は外の世界から大学に転じからこそ、その良さを深く感じる。嘉悦学園の歴史は110年を超えた。この先も、学園を守り続けることは、教職員に課せられた重い義務であり、誇らしい使命でもあると思う。





【教職員リレーコラム『110周年から始めよう』第1回】自ら率先し、"Active KAETSU人"を目指して(嘉悦康太)




自ら率先し、"Active KAETSU人"を目指して

文/嘉悦康太
   110周年記念事業委員会 委員長 




I.    110周年を迎えて

本学は、今年度創立110周年を迎えました。これもひとえに先人たちのご努力と現役教職員の日々の研究・教育活動の賜物であり、またその薫陶を受けた卒業生及び在校生の活躍の成果の顕れです。

そして何よりも、創立者嘉悦孝の先見性と教育思想が110年の時を経てなお色褪せないほど魅力的だったことが一番の要因です。

その意味で110周年は、学園が今後125周年や150周年を目指して着実に発展していくために、今一度原点に立ち返って足許をみつめる絶好の機会であったと言えましょう。

 

II.    Active嘉悦人(AKP)」の誕生

一連の周年イベントを企画するにあたっては、学園としての統一された「カラー・ブランド・文化」の明瞭な打ち出しが不可欠であるとの認識に基づき、その問題意識の下に「行事」として何を行うかが検討されました。

110周年に先立つ2012年度、我々は戦略会議を立ち上げ、今後学園が生き残っていくために必要な各種要件を教学と管理運営の両面から検討し「中期経営計画」の形で取りまとめました。その過程で、現在の嘉悦学園がおかれている状況と将来に向けての危機感を前提に、現状の問題点とその原因をレベルを敢えて意識せずにブレストしました。

対処すべき問題点や原因を見るなかで、嘉悦のカラー、ブランド、文化をより明確に打ち出し確立することを110周年のメッセージとすべきと考えるに至りました。

同時に我々は建学の精神と校訓を、時代の趨勢に合致させる形で現代的に再解釈する作業を試みました。そして一年間に渡る学内での議論の結果、学園ビジョン「Active KAETSU人(AKP)」が誕生し、創立110周年に合わせて学園全体の新ビジョンとして制定しました[1]


[1] AKPは「Active LearningActive Teaching を通じて、日本と国際社会に対する貢献心と自分や仲間に対する誇りを胸に、自分と周囲と世界の問題を一つ一つ解決していくActive Worker」と定義され、嘉悦孝が希求した「社会に有用な人材の育成」の現代版であると位置づけています。


V.  Active嘉悦人(AKP)を考える会」

今後はこの理想(ビジョン)を共有した上で、学園にとっての諸課題の解決に向け、教職員一同が一丸となって問題解決に取り組んで行く必要があります。

そのため創立記念日(2013101日)の半日を使って、新ビジョン「Active KAETSU人(AKP)」の披露・周知・浸透のためのイベントを企画し、AKPの目指す方向、大切にしたい価値観を楽しく学んでもらう場とするとともに、学園として110周年を迎えられたことを教職員一同が感謝し、祝える機会としたいと考え、周年委員会のメンバーを中心に準備を進めました。

 いよいよ迎えた当日、前半は学園の新ビジョン「Active KAETSU人」を深く理解し、それを実行に移すことができる教職員を増やすことを目的に、AKPの内容と目指す方向、今後学園として大切にしたい価値観を楽しく学んでもらうワークショップを開催しました。後半は周年記念謝恩パーティーとして、自分たちが素晴らしい場所で、素晴らしい仲間と、素晴らしい仕事をしていることをお互い再確認し合いました。

 

IV. 最後に 〜125周年、150周年に向けて〜

これ以外にも、我々は本周年を期に、学園の全教職員が嘉悦の伝統を再確認し、新たな誇りを持ってこれからもまい進して行くための各種事業やイベントを、大学・大学院、中高及び法人それぞれが主体となって企画・実施して参りました。

 すでに到来しつつある「私学淘汰」の時代には、各設置校が「特色ある教育」をより強く打ち出し、それを学園全体で全面的にサポートすることが生き残りのための最低条件となります。

 50年後、「あの周年事業を機に学園が変わった」と言われるよう、「111周年目」の来年度以降も引き続き、皆さんとともに学園の過去、現在、未来について考えて行ければ、と思っております。

 




教職員リレーコラム 『110周年から始めよう』

110周年から始めよう』は、本周年事業に学園、法人及び各設置校からキーパーソンとして携わった人々がリレー形式で綴る連載コラムです。嘉悦学園の教職員を代表し、各自がそれぞれの立場で本周年事業に対し、どのようなスタンスで臨み、どのような目的を持って何を達成しようとしたのかを、自由なスタイルで綴っていきます。

トップバッターを委員長である私、嘉悦康太が務め、続いて設置校である大学部会、中高部会、そして設置者としての法人部会の部会長に順次執筆をご担当頂き、トリを本周年事業を通じ、私のカウンターパートをお務め頂いた宮本副委員長に締めくくって頂きます。

それぞれの110周年に対する思いを皆さん、自由な文体で綴りながら、委員会及び各部会として何を成し遂げたのかをレポート頂く内容ですから、私も大変楽しみです。どうぞご期待ください!

学校法人嘉悦学園 110周年記念事業委員会

委員長 嘉悦康太

教職員によるリレーコラムが始まります

創立110周年を迎え、これからの嘉悦学園の姿を思い描きながら、教職員一同がリレー形式で執筆したコラムを順次掲載致します。
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